近年、夏季の高温による水稲の品質低下が全国的な問題となっている。
令和5年、当蔵の地元富士川町でも稲の登熟期の気温は
平年よりかなり高くなり、大きな影響となった。
「純米大吟醸 磨き40」を、地元米を使用して造るのか、仕込自体を諦めるのか、
質の良い原料米を購入して造るのか…決断を迫られた。

「記憶に残るひと時に記憶に残る酒を」
目標に向け、今歩みを止める訳にはいかない、そんな想いが強かった。

234年目、酒造好適米の最高峰とも呼ばれる「兵庫県産山田錦」を100%使用して、
精米・洗米・吸水・蒸米・製麹・仕込み・醪管理・搾り・おり引き・火入、
全ての工程において今持てる全ての技と心を込めて醸しました。
皆様の大切な何かに寄り添えることを願います。

更なる高みを目指して、新たな挑戦は続く。


杜氏　芦沢 祥行